Tさん夫婦との出会いはインターネットではなくパソコン通信がきっかけである。私はニフティサーブのマイホームと不動産フォーラムにもよく出入りしている。(最近はあまりの多忙でロム組になってしまっているが)もちろん現在もTさんとのやりとりはニフティでメールをやりとりしている。
最初の出会いは奥さんの方でありご主人のほうは通信関係に関してはまったくダメらしい。そんなご主人なので、もちろんのことながら「インターネットやパソコン通信をやっている人たちはちょっとなあ」という感じだったと後の話。やはり暗いイメージはついてまわるみたいだ。それと多分こちらは営業目的で声をかけて来たのだろうとも思うだろう。私だったらそう思う、やっぱり怪しい。(自分で言うな〜)
マイホ(マイホームと不動産フォーラムの略)の会議室でTさんの奥さんが某ハウスメーカーで新築の話を進めているが(仮契約はしていた)そのハウスメーカーの対応がよくないと困っていた。内容をよく見ると私にはなんか悲愴感がただよっているように感じたのと比較的近距離の人らしいので、こちらとしても対応しやすそうと思い、相談にのってあげようかと軽い気持ちで声をかけたのであった。
私としては、すでに仮契約もしているし、ハウスメーカーも一応同業者?なので営業妨害にならない程度でアドバイスなんか出来たらいいなと思っていただけである。あとハウスメーカーの営業の仕方なんかも勉強できればとも思っていた。
困っている内容とはハウスメーカーにありがちなことでTさんの要望をあまり取り入れずにプランニングしているとか、出来ない出来ないの一点張りであったりとかであった。(注 すべてのハウスメーカーがそうと言うことではありません)
まずはメールのやりとりから始まった。この時点で奥さんは家づくりに対してかなり後ろ向きになっている様に思えた。かなりハウスメーカーの対応が悪い様にに思えたし、奥さんからも現在行っている家づくりの理想と現実がかなりかけ離れていることに落胆している様にも感じられた。今、以前のメールをみると結構励ましのメールを送っていた私であった。
だがこの辺までくると後には引けない状態になっているんですよね、公庫の締きりがあるとか、手付け金を払ってるとか。Tさんに限らずこのパターンは結構あります。
メールの内容としては最初Tさんから問題点の説明や、家づくりの色々な質問を受けた。なぜ建て替えをすることになったのか、数社のメーカーの中からなぜそのメーカーを選択したのか、融資や金銭的な問題、敷地(境界が不明瞭)の問題、ハウスメーカーの対応の問題などさまざまな問題が重なっていた。それと設計事務所に仕事を依頼する場合の質問、震災公庫融資にからむ設計工程の質問(ようするにこちらが仕事をするとしたら、時間的に間に合うかどうかの質問)、設計事務所に依頼した場合、施工する工務店はどう選定するのか、等など数回のやりとりをしたのであった。
1月29日(金曜日)
奥さんとの数回にわたるメールのやり取りの後、とりあえず顔を合わせてお話しましょうということになり、ご夫婦で事務所の方へ来てもらうことになった。気軽に遊びに来る程度に考えて下さいといったかどうかは憶えていない。
当日はご夫婦と二人いる息子さんのうち弟の方の息子さんの3人でいらっしゃった、金曜日なのでお兄ちゃんは学校があるので来れなかったみたいだ。こちらも嫁さんにお茶をいれてもらいたかったので息子と3人体制だった。(考えてみれば凄い3人体制ですよね。ちなみにうちの息子は営業部長です。)
まず現状の説明をしてもらい、ハウスメーカーの作った資料やプランに目を通した。ハウスメーカーの作ったプランを見て思わず「これはまずいでしょう」と口がすべってしまった。私は心の中で「あちゃー、またやってもうたー」と思ったが後の祭り、「実はこれ私達が考えたプランなんです」と旦那さんの話。「あららそうなんですか」とフォローのしようがない私、そこで開き直ってそのプランのどこが悪いか説明をした。今から思うと冷や汗ものだった。(反省、反省)
それからメールでもやり取りはしていたが、今までの家づくりの進行状況のおさらいをするため、もう一度説明してもらった。
ハウスメーカーの対応や敷地の現況説明、Tさんの現在の経済状況(現状の借入れの状態)、これからの融資の可能性などである。
説明を一通り受けたあとはこちらの番で、こちらの説明内容はといえば、設計料の話、設計事務所の役割、設計事務所でやってもかかる金額は高くならないなどである。(一応営業トークも必要でしょうし、少しでも多くの人に設計事務所の存在意義をわかってもらいですもんね)
こちらの設計料がT邸の場合どれくらいになるかを説明すると、Tさんは驚いてたようでもっと設計料がかなり高いものだと思っていたらしい。
その辺りから、話は前向きになってきた。細かい住み方等の話等にも話題は広がり始めたし、後ろ向きになってた気持ちも少し前向きになったかもしれない。(これはTさんに聞かなければならないですが)もちろんこの時点でこちらに設計の依頼などない状況である。
とか言いながらTさんが急に「仕事をお願いしたい」との話、ちょっと焦った私、その時の私の台詞「いやまだ今日あったばかりでお互いのことがわかってないと思いますので慌てないでください」と言ったはず。ですよねTさん。
とりあえず、私達が仕事をするかどうかは、たたき台のプランを作成しそれで概算見積りをとって可能かどうかを見定めてから決めてくださいとTさんに提案し、今までの資料をすべてもらうことになった。この時点でちょっとびっくりの私であった。
Tさん家族が帰ったあと、嫁さんと二人で「あらら、な〜んかしらんけどやることになってもうた、どないなっとんねん」と大笑いしていた私たち夫婦であった。(もちろん完全に私達に依頼する話にはなっていない状況です) 第2話に続く
注)、他の事務所の方には非難されるかもしれませんが、私たちは一番最初のラフプランでは設計料は戴かないことになっています(すべての仕事でということではないのですが、例えばハウスメーカーと競合とかの場合はお断りしています)、それで気に入ってもらい完全に事業決定してから設計契約するようになっています。私達としては、最初のラフプランは営業活動と考えています。もちろん2度目からは費用がかかってきます。契約頂いた場合は設計料の中に含まれますが、契約戴けない場合は実費精算となります。
旦那談「通信まったくダメ〜〜?」と文句を言ってました(笑)。でも会社でインターネットはやってるそうだ。
初めてお会いして、その場でお願いしたのは。まず、時期的にも問題がない。ということ。もう一つは、費用の面でもなんとかなりそうだ、ということ。書いてらっしゃった通り、設計料などものすごく高いものだと思ってました。(雑誌でも人の話でもすぐうのみにする私)
さらにもう一つは、これが一番重要ポイントですが、楽しそうな家を考えてくれそうだった、ということですね。わらにもすがる思いで(大げさ)事務所に伺って、そこで一筋の光をみたようなものです。
メーカーのプランをずばっと「あかんでー」と言われた時はまあ、多少ショックはありましたが(笑)、そういう風に指摘してくださるプロの方をおまちしてました…という感じでしたね。なにせ、メーカーさんは、うちの言うままそのままのプランをもってくるんですから。